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レポート

超党派議連副会長としてフィンランドを訪問

2026年夏、フィンランドの「ネウボラ」「オンカロ」「シェルター」を視察。今後の日本の子育て、放射背廃棄物処分政策、国民保護政策の立案に活かします。

フィンランドのネウボラの視察

調査の目的: 切れ目のない母子支援モデルの先進国であるフィンランドの「ネウボラ」を視察し、支援の実態、保健師の役割、多職種連携、住民の利用実態を把握することで、日本および地域における母子保健・子育て支援施策への応用と課題を検証する。

  1. 視察の背景と趣旨

日本国内では少子化の進行とともに、孤立育児(ワンオペ育児)や産後うつ、児童虐待のリスクが大きな社会課題となっている。切れ目のない相談支援窓口として「こども家庭センター」等の整備が進む中、その源流となったフィンランドの公的支援制度「ネウボラ(Neuvola)」の現場を直接確認し、制度設計のみならず現場の運用ノウハウや文化的な支援マインドを学ぶべく現地視察を実施した。

  1. 視察先概要と現地での確認事項

(1) 「かかりつけ保健師(担当制)」による伴走型支援
長期的な信頼関係の構築

妊娠初期から子どもが小学校に入学する(7歳)まで、同一の担当保健師(ネウボラナース)が一貫して家庭を担当する運用が徹底されていた。

小さな異変の早期察知

定期健診や面談を重ねる中で「普段と様子が違う」「表情が固い」といった定性的な変化に保健師が早期に気づける体制が整っており、予防的介入の基盤となっている。

(2) 「母子」ではなく「家族全体」を診る視点
パートナーの積極的な巻き込み

面談や健診は父親・パートナーの同席が強く推奨されており、実際に両親揃って来所する割合が極めて高い。

夫婦関係や生活基盤のケア

胎児や乳幼児の発育チェックにとどまらず、夫婦間のコミュニケーション、家事育児分担、産後うつチェック、経済的な困窮や孤立のリスクなど、多面的な生活環境のアセスメントを行っていた。

(3) 受診インセンティブと完全無料化
育児パッケージ(Kelaのベイビーボックス)

社会保険庁(Kela)から提供される衣類や寝具等の育児パッケージ(または一時金)の受給条件に「妊娠初期のネウボラ受診」が位置づけられており、受診率はほぼ100%に達している。

無償による心理的ハードルの撤回

税金と公的保険で賄われるため利用料は一切不要。すべての市民が等しく利用できるユニバーサルサービスとして定着していた。

(4) 相談から専門支援へのシームレスな連携
軽度の悩みはネウボラナース自身が傾聴・助言を行い、医療介入が必要な場合は中央病院の産科や小児科へ、心理的・福祉的介入が必要な場合は心理士やソーシャルワーカー、家庭訪問ヘルパーへ即座につなぐハブ機能を果たしていた。

  1. 現地関係者・当事者へのヒアリング結果(要点)

ネウボラナース(現場職員)談

「私たちの仕事は『診断』ではなく『対話とエンパワーメント』です。親が自信を持って子どもを育てられるよう、専門家として上から教えるのではなく、親と同じ目線で話を聴くことを何より大切にしています。」

利用者の声(乳幼児を持つ母親・父親)

「妊娠した瞬間から自分専属の保健師がいるという安心感が非常に大きかった。何か少しでも不安があれば『次の健診で聞こう』『連絡してみよう』と思える存在がいることで、孤立感を持たずに済んでいる。」

  1. 視察を通じた考察と国内・地域への提言

① 「担当制」と伴走支援の仕組みづくり
日本国内では異動や担当替えにより保健師との関係がリセットされやすい課題がある。地域担当制やICTカルテ等を活用し、可能な限り妊娠期から就学前まで同一チーム・同一担当者が切れ目なく見守れる体制の検討が必要である。

② 父親・パートナー支援の強化
父親が早期から育児に関わることが産後うつ防止や夫婦関係の維持に直結している。面談時間や休日の枠組み設定、父親向けの両親学級プログラムなど、パートナーが参加しやすい仕組みづくりが急務である。

③ デジタル・ICTを活用した情報共有と事務効率化
フィンランドでは電子母子手帳や行政カルテの連携が進んでおり、ナースが対話に集中できる環境が整っていた。日本においても、予約管理や相談履歴のデジタル化を進め、対面での傾聴やケアに十分な時間を確保できる環境整備が求められる。

  1. まとめ

ネウボラの最大の特徴は、単なる医療的・保健的なチェックにとどまらず、「親の心と生活環境に寄り添うセーフティネット」として社会全体に根付いている点にあった。

制度の枠組みだけを真似るのではなく、「親を孤立させない」「早期にサインをキャッチして多職種で支える」という思想を、地域の実情に合わせて具現化していくことが重要である。